垂直加圧根充とは？
ききなれない言葉でしょうが、根の治療を行う場合、隙間を封鎖することが細菌を増殖させないために必要ですので、根管充填ということをおこないます。
通常、保険治療では側方加圧充填といって、固形のガッタパーチャーというゴム系の素材を使用して隙間を埋めていきます。この方法では、固形のものを使用するため、どうして根っこの内部の隙間が完全に埋まらず、細菌の増殖する隙間が残ってしまうことがあります。
垂直加圧充填法ではガッタパーチャーを熱で溶かして圧をかけて押し込みます。そのため、ガッタパーチャーが空洞内の隅々までいきわたり、隙間が空かないように埋まります。
垂直加圧根充法を使用することで、曲がっている根っこなどの治療後の隙間の封鎖も可能になります。
垂直加圧充填治療例
このケースでは、歯の根っこがまがっています。
こういったケースでは、通常の側方加圧充填法で根管充填剤では曲がる手前で固形の充填剤が止まってしまって根っこの先端まで隙間を封鎖することができないことがあります。
このケースでも根の曲がるカーブのところで固形の充填剤が止まってしまっています。
根っこの先端に細菌が増殖するスペースが残ってしまいます。
垂直加圧根充後の状態です。
根っこの消毒をしっかりと行い、隙間を垂直加圧根充することで曲がった根っこの空洞をしっかりと封鎖することができました。
治療後1年後の状態ですが、根っこの先端の炎症像は消失し骨が回復していることが分かります。
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