歯周病治療の流れ


歯周病治療をする場合、効果的な治療をするには治療の順番を守る必要があります。歯周病が進行している場合は次のような治療の流れが一般的です。もちろん選択するのは患者様です。

 

  1. 歯周治療の患者様の生活習慣や状況の確認
  2. 検査
  3. 診断と治療計画の立案
  4. 歯周初期治療(歯ブラシの確認・歯茎の上の歯石取りなど)
  5. 再評価1(もう一度検査)
  6. 歯石取り(歯茎の中の歯石取りなど)
  7. 再評価2(さらに治り具合の検査)
  8. 歯周外科治療 (歯茎を開いて歯石を取り、骨を整形する)
  9. 再評価3(治り具合の確認) 
  10. メンテナンス

となります。

歯周病が進行してしまった場合、基本的に歯周外科を行わないと歯周病は治りません.

そのため、歯周病の流れは基本的に歯周外科を行うための流れと言えます.


歯周初期治療について


歯周初期治療には生活習慣の改善(動機付け)、歯茎の炎症に対する処置と歯の揺れに対する処置をします。

 

 具体的には、歯ブラシの確認、歯石取り、虫歯治療、ゆれている歯の固定、無い歯の応急的な仮歯や入れ歯、残せない歯の抜歯などを行います。

歯周病
歯周病の初診時

写真の方は歯茎が腫れているのがお分かりでしょうか?

歯の周りの歯茎が赤く腫れて、触ると出血する状態です.

歯茎の中に歯石がかなりの量付着しています.

歯周病が進行してしまった状態です.前歯など揺れている歯もあります.歯茎だけを見ると歯周病が進行しているのがわかりにくいかもしれません。

初期治療後の状態
初期治療後の状態

歯茎の膨らみが引き締まりました.歯石もだいぶ取れました.

ここで間違えないでいただきたいのは、歯周病は治っていないという事です.歯茎が引き締まる事と歯周病が治る事はちがいます.この状態で安心してしまうと歯周病がさらに内部に進行する事になります.

この状態になって初めて歯周病の外科処置を行い歯茎の中の歯石をお取りします.


歯周外科処置について


専門的にはいろいろな名前の処置がありますが、基本的に歯石取りでも残ってしまった歯周ポケットをなくすための処置になります。 

詳しくは歯周外科のページへ

 

歯周外科の名前

 

歯周ポケット掻派術

新付着術

歯肉切除術

歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)

フラップ手術に付加して行う手術(歯槽骨整形術、歯槽骨切除術、骨および人工骨移植術)

歯肉歯槽粘膜形成術(小帯切除術、歯肉弁側方移動術、遊離歯肉移植術、歯肉弁根尖側移動術、歯肉弁歯冠側移動術、口腔前庭拡張術、結合組織移植術)

歯周組織再生誘導法(GTR)

エナメルマトリックスタンパク質などを応用した再生治療

治療期間について

歯周病治療は治療の流れのそれぞれのステップをしっかりとクリアしないとつぎのステップに行かないので、歯ブラシの状態の悪い方などは根気よく通っていただく場合もあります.